2004年の夏の甲子園で、北海道勢として初の甲子園制覇を成し遂げた駒大苫小牧高校。
2005年にも優勝し、夏の甲子園連覇を達成。
翌年も夏の甲子園の決勝に進み、敗れはしたものの、早稲田実業と決勝戦引き分け再試合で球史に残る名勝負を繰り広げた。
そんなチームを指揮していたのが、香田誉士史監督である。
就任から約10年で、甲子園を制した名将は常識にとらわれない練習メニューを導入し指導をしていた。
雪の積もったグランドで、守備練習をする「雪上ノック」を考案し、「雪=ハンディ」 という固定概念を排除した。
雪上ノックには、雪や氷が滑りやすいが故に、自然と集中力や体幹を鍛えられるという利点もあった。
年中野球ができる環境になった駒大苫小牧の選手達は、全国レベルのチームと変わらぬ練習量に自信を持ち、甲子園でのびのびとプレーをし、一気に全国の頂点へと駆け上がった。
雪上練習に対して、導入当初は批判もあったものの、軍手をつけさせたり、長靴を履いたり、ストレッチを入念におこなったりと工夫を凝らしていた。結果的に大きな怪我もなく、今や雪国ではおなじみの冬の練習メニューとなっている。
逆境を嘆くのではなく、見方を変えて考え、味方にすることが不可能を可能にするのだろう。