春夏合わせて5度の全国制覇経験のある神奈川の名門、横浜高校。
1998年の春夏連覇や、多くのプロ野球選手の輩出で、知名度は高校野球界で一、二を争う。
そんな名門を率いていた渡辺元智監督のあとを継いだのは、平田徹監督である。
平田監督は、横浜のOBで3年の夏の甲子園では主将として甲子園四強を経験し、2006年よりコーチとして、10年からは部長としてチームを支えていた。
渡辺監督の勇退後の15年に監督就任後は、監督期間の4年間の全ての年でチームを甲子園へと導いた(16〜18年夏、19年春)。
そんな、若き名将は「自主性」を大切に、選手たちを指導していた。
全てを監督や指導者が管理するのではなく、選手達をサポートしている。時には、選手達に練習メニューを考えさせ、監督や指導者はアドバイスなどだけをする。
また、選手達に意図や理由、目的を尋ねた際も例え選手が間違っていても、頭ごなしに否定するのではなく、選手達の考えや言葉を尊重し、丁寧に修正していく。
試合では、緊張している選手たちにはプレーに集中させるためにも、「隙をつくらない」 ことを意識して、采配をしていた。
選手たちの小さな綻びや焦りから生まれる「隙」を監督が警戒し、作らないことで、毎年激戦の神奈川を勝ち抜き、全国でも勝てるチームが作れるのだろう。