「機動破壊」でその名を全国に広めた群馬の名門、健大高崎。
2001年創部と歴史は浅いが、近年甲子園を魅了する強豪校である。
チームを指揮するのは、青柳博文監督である。
2012年のセンバツ初出場4強や、盗塁の記録を残した14年選手権、9回土壇場でトリックプレーで引き分け再試合に持ち込んだ17年センバツなど機動力が印象的なチームを毎年作り上げている。
そんな青柳監督は、ノーヒットで1点を取るといったスタイルにこだわっている。
作戦の代名詞でもある盗塁は高校野球では、攻撃手段の一つとして使われることは多いが、リスクが大きく流れを失う危険性などもあり、全国レベルの相手であれば、よほどの自信がないと行わない。
しかし、健大高崎は臆することなく甲子園でも縦横無尽に塁間を駆け回る。それもかなりの成功率を誇る。
そこには、青柳監督の「失敗に対して叱らない」という考えがあることで、選手の緊張感を減らしているからだ。
走塁の練習量は他チームより多いだろうが、最後は「挑戦する心」を応援してくれる監督がいるという気持ちが、自信を与え成功するのだろう。