東邦や中京大中京など全国制覇の経験を複数回持つ名門を筆頭に、毎年群雄割拠する激戦区愛知県。
その愛知で、新勢力として注目を集めているのが至学館高校である。
2005年創部すると、11年夏には甲子園に出場し、その後は県大会の上位進出、東海大会の常連校となった。
また、2016年秋には県大会で「私学四強」と呼ばれている、チームを全てサヨナラで下すと、2017年にはセンバツ出場、春季県大会、東海大会優勝など、躍進を続けている。
そんなチームを指揮するのは、麻王義之監督である。
チームモットーに「思考破壊」を設定し、常識破りや積極性を重視した作戦で、相手の盲点を狙う。
日々の練習は、決して恵まれていない普通のグランドで時間や場所などを工夫して心身ともに鍛えている。
そんな、練習環境が「思考力」や「知恵」を成長させ、試合で、相手の盲点を突くような作戦を実行できるようになるのだ。
練習では選手の考え方や役割を監督が把握し、選手同士もお互いにそれらをも認識する。
そうした日々の練習で、選手と監督、選手間の信頼関係が生まれ、監督や他の選手の考えていることを読めるまで、各自が先読みできるようになる。
技術では相手より劣っていても、技術を上回る「思考力」で試合を制するのだろう。