高校野球100回の選手権の歴史で勝ち星は28と全国的に見ても少ない富山県勢。
しかし、近年は北陸勢の最大の敵である雪のハンディを感じさせない戦いを繰り広げている。
甲子園でも上位進出を果たし、選手権では4度の16強進出(そのうち1回は8強進出)するなど、全国レベルに対応しつつある。
そんな富山県の中で近年力をつけているのが、富山第一高校である。
チームを指揮するのは、富山出身の黒田学監督である。
黒田監督は、就任一年目から県4強進出へ導くと、2013年夏には甲子園出場を果たし8強まで勝ち進むチームを作り上げるなど、数々の記録を残している。
監督の指導は選手たちに普段から「考える癖」をつけさせるように意識している。
一球ずつ考える習慣を練習からつけさせ、意図や意味にも拘りながら技術を「思考力」で補っている。
また、ノーサインでも選手同士の判断で作戦を実行することができれば、高いレベルの相手でも闘えるからというのが監督の狙いもある。
監督の指示だけでなく、試合の流れや空気など様々のことを選手たちが常に考えることで、隙や綻びが生まれにくくなる。
指示だけにとらわれず、「自ら考える野球」が少ないチャンスを見逃さず、全国の強豪にも劣らない野球を繰り広げられるのだろう。