甲子園で中々成績を残せていなかった新潟県勢。
そんなレッテルに終止符を打ったのが日本文理である。
2009年夏の甲子園で、県勢初の準優勝を成し遂げたのだ。
中でも、決勝戦では、最終回二死走者無しからの5点をとる怒涛の追い上げで球史に残る名勝負として、今後も語られるであろう好ゲームを繰り広げた。
チームを指揮していたのが、大井道夫監督である。
大井監督は、1986年から日本文理で指揮をとり、春夏合わせて14度の甲子園出場、09年夏の準優勝、14年の四強入りなど数々の実績を残した名将である。
大井監督は、「 平成の攻めダルマ」と言われるほど打撃重視の野球である。
練習も打撃に7割時間を割いたり、バンドによるアウトも嫌う。
選手権で準優勝した09年も驚異の全試合二桁安打で甲子園にその打撃力を印象づけた。
そして、強いチームを育てるだけではなく、敗れ去った選手たちにも社会に出てからの活躍を願い、高校野球で過ごした時間が無駄ではないという言葉をかけていた。
甲子園という目標を目指して毎日努力をしてきたことが将来の財産になるという、勝敗の先にある大切なもを気づかせることも必要なのだろう。