「同じことをやっても、同じ結果しか出ん」/ 高知商 上田修身監督

春夏合わせて、甲子園で60を超える勝ち星を挙げている四国を代表する名門、高知商業高校。

昭和23年のセンバツに初出場後、優勝1回、準優勝3回と甲子園で好成績を残している。

そんなチームを2015年から指揮しているのが、選手時代に高知商の主将として、センバツ優勝を成し遂げている上田修身監督である。

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上田監督は、長年の中学野球を指導していた経験を活かして、守りからリズムを作る野球を確立し、12年間甲子園から遠ざかり、低迷していたチームを3年で甲子園へ導き16強入を果たした。

しかし、県内最大の敵である明徳義塾を倒すためには、守っているだけでは勝てないと考え、「打力」の強化も行い、「守り打ち勝つ野球」を目指していった。

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日々の打撃練習では、打ち損じや空振りを容認し、基本的には小手先で当てにいくスイングはさせず、インパクトを意識させた強いスイングするよう指導している。

また、打撃力を更に高めるために、長年の指導の経験から走り込みをさせず、効率の良い筋力トレーニングを取り入れた。

トレーニングでは、筋力アップ以外にも柔軟性を高めたり、身体の使い方を指導したりと、限られた練習量でも最大限の効果が出るよう工夫を凝らしている。

身体の強化に欠かせない、食事にも力を入れ、一日7食日課とし、サプリメントやプロテインなどでも足りない要素を補い、最終的には冬の期間で平均8キロ増量を達成した。

そして、ベースボールコンサルタントや、若い指導者の意見なども積極的に取り入れ、監督自身も勉強をしている。

名門故に、大切にされてきた伝統やプレースタイルなどがあったが、それらに縛られることで、選手たちの持っている能力を発揮できていないことも多く、敢えて決まったカタチを作らず、チーム作りを行っている。

効果がある練習や良いと聞くメニューがあれば、すぐに取り入れて、日々変化のある練習で刺激を与えていくのが上田監督のスタイルである。

固定概念に縛られることなく、選手やチームの力を最大限に生かしチーム作りをすることで、強い高知商が復活を果たせたのだろう。

平成の時代では、甲子園は7度の出場に留まったが、「守り打ち勝つ野球」を武器に、令和の時代に2度目の全国制覇を目指している。

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