2016年の甲子園で春夏連続4強進出を果たした、熊本県の強豪、秀岳館高校。
そんなチームを主将兼4番打者として支え、甲子園でも活躍を見せたのが、九鬼隆平選手である。
チーム全員が本気で「日本一」を目指す秀岳館では、平日の全体練習が夜の12時を過ぎることも珍しくなかった。
また、雨が降る日でも、長靴を履き外で練習を行うこともあれば、年末年始に合宿を行うなどの全国トップレベルの練習量に、入学当初は慣れない状態が続いていた。
それでも、「全国制覇」という目標を叶えるために、全国各地から集った仲間の支えもあり、深夜1時まで自主練習を行うなど、努力を続けていった。
在学中には、レギュラー選手が県外出身であることに対する批判や、熊本地震で練習ができないアクシデントに見舞われながらも言い訳せず、バラバラになりつつあったチームメイトの気持ちを整理し、チームをまとめる主将の役割を完璧に果たしていった。
甲子園最後の試合となった準決勝の最終回に、人一倍大声で仲間を鼓舞する姿は、多くの野球ファンの心を掴んだ。
「全国制覇」の夢は叶えれなかったものの、「日本一への執念」をプレーだけでなく、気持ちで示した主将の意志は、後輩にも受け継がれていることだろう。