2005年の夏の甲子園に、宮城県大会3連覇を果たして出場し、8強に進出した東北高校。
当時、チームの主将を務めていたのは、1年夏からレギュラーとして試合に出場し、3年間活躍を続けていた、加藤政義選手である。
加藤選手は、入部後すぐにレギュラー入りし、1年夏の甲子園では6番サードとして全試合に出場し準優勝に貢献すると、2年時には、春夏甲子園で2勝ずつ挙げるなど、技術でチームを引っ張る存在であった。
最終学年となった、2年秋には主将に任命され、背中でもチームを引っ張ることが求められるようになっていった。
しかし、「東北高校史上最強」と称された、ダルビッシュ投手を中心とした、前チームと比較されることも多く、あまりのプレッシャーに、秋の地区大会では初戦敗退を喫し、センバツ出場のチャンスを逃してしまった。
それでも、最後の夏に気持ちを切りかえ、「ひたむきに、前向きに」というスローガンを掲げ、夜遅くまで練習し、誰もが認めるチーム1の練習量で自信をつけ、気持ちでチームを引っ張っていった。
迎えた最後の夏は、攻守に渡る活躍でチームを支え、県大会を3連覇で制して甲子園に出場すると、全国の舞台でも、前チームを上回る8強進出へと導いた。