勝利にこだわり続けるあまり、周囲からは、教育の一環としての指導を行うよう、批判されたこともあった、開星高校を指揮する野々村直通監督。
特に、2010年のセンバツ大会で、21世紀枠の高校に敗れ、「切腹発言」をした際には、猛烈なバッシングを浴び、一時期辞任することもあった。
一般的には、高校野球が学生のスポーツであることから、結果ではなく、教育を重視した指導で、人として育て上げることを目的とするケースは多い。
しかし、野々村監督は、結果を出させることが教育であるという信念を持ち、どんな状況でも勝利へと近づく努力をすることを求め、指導している。
そのため、他の学校では、チームの作戦や選手起用を探ったり、試す場として行う練習試合も、野々村監督は、勝利にこだわっている。
もちろん、練習で教えたサインプレーなどを使ったり、複数の選手を起用することも行うが、勝ち癖をつけさせるために、内容以上に結果を意識させているのだ。
そんな勝利への気持ちが強すぎるあまり、勝利至上主義として批判をされることも少なくないが、決して、教育面の指導を怠っているわけではない。
勝利から教育といった他とは異なったアプローチではあるが、勝つために必要な練習は何か、負けないための準備は何をすべきかなど、取り組む姿勢や過程も重視して指導している。
妥協や諦めを一切許さず、野球と人生の勝利へ挑み続けることの大切さを伝える野々村監督の指導に、今後も目が離せない。