「壁は人の心が勝手につくるもの」/ 県岐阜商 鍛治舍巧監督

物事に対するやる気の有無は、自分次第であり、成功の可能性や限界を決めているのも、周囲の環境や物理的な問題もあるものの、結局は自分自身である。

そんな独自の理論で県岐阜商を指揮している、鍛治舍巧監督は、選手たちの心にある「」を取り除き、チームの新たな歴史を作ろうと、指導を続けている。

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鍛治舍監督は、選手時代だけでなく、監督としてもアマチュア界で幾多の実績を残していたことから、戦後初の全国制覇を期待され、母校、県岐阜商の監督を担うこととなった。

就任当初のチームは、技術的な課題も見つかったが、それ以上に「強豪校相手なら負けても仕方ない」といった考えが当たり前になっており、精神面の問題があった。

そういった気持ちの弱さは練習中にも見られ、上手くいかない時や結果の出ない時には、改善策を考えるのではなく、できない理由を探す傾向があった。

それらの状況を踏まえ、メンタル面を克服することをが必要と考えた鍛治舍監督は、選手たちに根拠となるような自信を持たせることからスタートさせた。

勉学にも力を入れる公立高校故に、練習時間は限られてはいるが、質の高い練習メニューを効率よくこなせるように、組み合わせを考え、一人あたりの練習量を少しでも多く確保した。

また、練習量だけでは成長が目に見えにくいとして、あらゆる結果を数値化し、目標と自身の現状を把握させたり、達成度を確認させるなど、小さな成功体験を与えることも行った。

このスタイルでは、練習量がそのまま結果に反映されるため、練習に対するモチベーションも高くなり、より高い意識が持てるようになり、選手は急激に成長を遂げるようになったのだ。

」という存在を捨て、昨日の自分より少しでも前に進もうと、努力を重ねる県岐阜商の選手たちが、 甲子園を制する日は近そうだ。

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