1982年の夏、83年のセンバツを制し、史上4校目の夏春連覇を成し遂げた、徳島県の池田高校。
当時、チームの中心選手として活躍していたのは、2年時から中軸を担い、3年時には主将も務めていた、江上光治選手である。
江上選手は、中学時代に県大会と四国大会を優勝し、全国大会出場を果たしていたものの、下位打線であったことから、高校進学時に、スカウトされることはなかった。
それでも、一般生として強豪校の池田高校へ憧れ進学すると、練習初日の打撃練習で結果を残したことから監督に注目され、上級生に混じって練習をするようになった。
また、深夜遅くまで自主的に素振りに励む先輩の姿に刺激を受け、自主練習を始めたことと、筋力トレーニングを行ったことが成長を後押ししていった。
そんな努力が実り、1年秋からは代打、2年春からはレギュラーとして出場するようになり、夏には3番打者を任されるまでになった。
そして、夏の甲子園では4割を超える打率を残し、チームの初優勝に貢献すると、主将となった3年のセンバツではバットと背中で連覇へと導いた。
最後の夏は甲子園の準決勝で敗れ、史上初の3季連続優勝は逃すも、数々の実績を残し、努力をすれば夢は叶うという、自信を得た３年間でもあった。