センバツ大会に「希望枠」として甲子園デビューを果たすと、準優勝の好スタートを切った、岐阜県の大垣日大。
以降も、神宮大会制覇をはじめとした、数々の好成績を残していることから、強豪校として認識されている。
そんな大垣日大を指揮しているのは、甲子園で39もの勝ち星を挙げている名将、阪口慶三監督である。
阪口監督は、高校野球界を代表する名門、東邦高校を指揮し、全国制覇へ導いた実績があったため、大垣日大に就任した際には、大きな話題を呼んだ。
しかし、当時の大垣日大は、甲子園出場経験はなく、選手層も東邦高校と比較すると、恵まれてはいなかった。
そこで、高いレベルの野球を厳しく教えるかつてのスタイルを継承しては、選手たちは着いてこないとして、指導方針を大きく変更した。
力を引き出すために、褒めて伸ばすこともあれば、やる気を出すために、プライベートを共にすることもした。
また、失敗を責めることはせず、自らの指導力不足を反省したり、選手たちと一緒になって涙を流すなど、名将と慕われても、偉そうに振る舞うことはしない。
その結果、大垣日大を全国レベルの強豪校へと育て上げることに成功し、幾多のスター選手も輩出するようになったのであった。
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