「悔しい負けを実感しないとわからないこともある」/ 近大附属 藤本博国監督

全国最多となる25度の甲子園優勝を記録している激戦区大阪で、毎年上位進出を続ける近大附属高校。

甲子園には、昭和42年のセンバツで初出場を果たすと、平成2年のセンバツでは、全国制覇を成し遂げた実績もあり、近畿圏だけでなく全国から注目を集める強豪である。

そんなチームを指揮しているのは、選手時代に主将として、近大附属史上初の夏の甲子園へチームを導いた経験を持つ藤本博国監督である。

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藤本監督は、毎年中心選手を決め、その選手を軸としたチーム作りを行うが、他の選手が中心選手に対して気を遣い雰囲気が悪くなることを避けるために、全員がなんでも言い合えるような関係性を保つようにしている。

あくまで中心選手は、チームの野球の方向性を決めるだけであり、部内での上下関係を必要以上に作らず、全員で意見を交換し合えるようにしている。

定期的に投打の主軸の選手を敢えて試合に出さず、レギュラー外の選手を試合に出場させ、他人頼みや人任せにならないように、一人一人に「責任」と「自覚」を持たせる工夫も凝らしている。

控え選手が試合に出場することは、練習へのモチベーションになるだけでなく、「役割」や「課題」を把握でき、チーム内のレギュラー争いが活発化するようにという狙いもある。

このように全体がレベルアップすることで、選手全員が質の高い練習に意識的に取り組むようにもなり、チームとしての成長の速度を上げていくのが、藤本監督のスタイルである。

また、公式戦での負けについても細かく分析し、自チームの弱点についても認めさせた上で、練習をさせている。

しんどい基礎練習や辛いトレーニングにも、根拠や理屈がきちんと説明されているため、自然と足りていない部分や、勝つために必要なスキルを身につけようと、選手たちは自ら考え取り組めるのである。

そして、細かな所まで「本番」を意識することで更なる成長が得られるため、公式戦のような緊張感で練習をするようにも伝えている。

個々の意識の高さと、全員が「責任」を果たそうとする気持ちを持っていることで、チーム全体のレベルが上がり、激戦区の大阪でも安定して上位進出ができるのだろう。

記念大会に強い近大附属が、記念大会以外にも甲子園出場を決め、再び全国の頂点に立つ日は、近そうだ。

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