「花はいつか散るが、根っこがちゃんと育っていればまた美しい花が咲く」/ 興南 我喜屋優監督

沖縄県勢初の夏の甲子園優勝を、春夏連覇で叶えるなど、幾多もの記録にも記憶にも残る活躍を魅せている、興南高校。

野球のレベルの高さはもちろんのこと、高い精神年齢で、大人の野球を繰り広げるところが、強さの所以である。

そうした唯一無二の興南の野球を作り上げたのは、OBの我喜屋優監督である。

我喜屋監督は、選手として、当時の県勢最高成績となる、夏の甲子園4強進出に貢献し、「旋風」を巻き起こした経験に加え、社会人野球でも、選手と指導者の両方で結果を残し続けていた。

しかし、母校の監督に就任して、真っ先に取りかかったのは、野球の指導ではなく、学校や寮などの日常生活のルールを作り、徹底させることであった。

礼儀作法を教え込んだり、学校行事の積極的参加を促したり、選手としてではなく、高校生としての一流になることを求めた。

当初は、我喜屋監督あまりの細い指導に、妥協したり誤魔化す選手も少なくなかったが、できるまで言い続けたり、できなければ試合で起用しないなど、妥協は許さなかった。

やがて、 小さなルールを徹底し続けたことで、人としたの強みが生まれると同時に、冷静な判断や行動ができる、大人のチームになり、実力の劣る相手にも、負けなくなっていった。

目先の美しい花を咲かせることばかりにとらわれず、何度でも花を咲かせられるための強い根っこ作りに時間を割く、我喜屋監督に支えられ、興南の選手たちは、野球だけでなく、人生の勝利も目指す。

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