2014年の夏の甲子園で、チームとして7年ぶり夏の勝利を挙げ、ベスト16まで勝ち進んだ滋賀県の近江高校。
当時、走攻守三拍子揃った選手として注目を集めていたのが、主に3番遊撃手として活躍を見せていた、植田海選手である。
植田選手は、日本航空山梨に進学するも、一身上の都合で1年時の冬に自主退学し、近江高校に編入することとなった。
ポテンシャルの高さから、強豪の近江でもレギュラーを期待されていたが、「転校生は1年公式戦に出場できない」という規定があり、編入と同時に3年の夏のみのチャンスしか残されていなかった。
そんな条件にも屈することなく、野球ができることに喜びをモチベーションにした植田選手は、3年春のレギュラー獲得と甲子園出場の夢を掲げ、練習に励んでいった。
レギュラーになれる保証はない中行われた、冬場の近江高校名物のインターバル走(4日間で100m×250本を行う)にも、積極的に参加し仲間と共に汗を流した。
そして、心身共に様々な困難を乗り越えた植田選手は、有言実行のレギュラー獲得と甲子園出場を果たしたのであった。
迎えた甲子園では、初戦で3安打2打点で勝利に貢献し、野球をさせてくれた保護者や、編入を暖かく受け入れてくれた仲間と監督にプレーで感謝をの気持ちを伝えたのであった。