「日々の練習で課題を解決した、努力をしたという積み重ねに大きな意義があります」/ PL学園 中村順司監督

1980年代を中心に、高校野球史に一時代を築いた、春夏合わせて7度の全国制覇を誇る名門、PL学園

日本球界を代表する選手を輩出しているほか、チームとしても、春夏連続優勝やセンバツ連覇など、数々の偉業を成し遂げている。

そんなPL学園の黄金期を指揮して、甲子園通算58勝を記録したのは、OBでもある、中村順司監督である。

中村監督は、甲子園で6度の優勝、8割を超える勝率など、驚異的な数字を残していることから、その技術の指導力に注目が集まることが多い。

しかし、中村監督が最もこだわっていたのは、野球を通して、選手たちを人間として成長させることであった。

もちろん、野球の基本の徹底には力を入れ、キャッチボールや素振りなどの基礎にも、細かく指導をしていた。

だが、あくまでも、学校や寮などの日常生活で、高校生としての当たり前を身につけることに、何よりも指導の時間をかけ、野球の結果は二の次としていた。

このスタイルを確立したことで、例え高校時代に結果が残せなかった選手たちも、次のステージや別の分野で、成果を出せるようになっていた。

全国トップクラスの強豪でありながらも、勝つことに執着せず、教育を怠らなかった中村監督の指導こそ、高校野球の指導者のあるべき姿なのだろう。

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