「無冠の帝王」と称されていた、チームの歴史に終止符を打ち、2013年のセンバツを制した埼玉県の浦和学院高校。
当時、チームの主将を務めていたのが、2年次から名門の4番を任されるなど、打の柱としても活躍を見せていた、山根佑太選手である。
山根選手は、小学生時代にはソフトボールで全国制覇を成し遂げ、中学では全国準優勝を経験するなど、数々の実績を残していたこともあり、全国の強豪から声がかかる中、浦和学院への進学を決めた。
入学後から、結果を残し始めると、2年時には、チームの主軸を任されるようになり、春夏甲子園を経験すると、秋には、史上初の関東大会3連覇に貢献するなど、全国制覇へ大きな期待が寄せられていた。
しかし、神宮大会で5点差を逆転され敗れ、チームに「隙」があることと、「力不足」であることを痛感させられた。
悔しさを忘れないために、敗れた試合の掲載された新聞を部室に貼り付け、冬場には、タイヤを引きながらの20分間ノックなど壮絶なメニューで、技術だけでなく、精神面も強化し、心技体の面で成長を遂げていった。
厳しい冬を乗り越え、「個人の結果」より「チームの勝利」を合言葉に挑んだセンバツでは、山根選手を筆頭にチーム全員が、勝負どころで活躍を見せ、学校の歴史に名を残す、初の全国制覇を成し遂げたのであった。