高校野球の聖地、甲子園から6km離れた場所に位置する名門報徳学園。
「逆転の報徳」でファンからは親しまれていて、春・夏共に全国制覇の経験もあり甲子園常連校として、強豪と認識されている。
そんな報徳学園を1994年から指揮し、春夏合わせて18度甲子園に導いたのは永田裕治監督である。
23年間の監督生活で甲子園23勝をあげ、2002年のセンバツでは優勝を経験。
2017年の最後の出場となったセンバツでも、四強入りを果たすなど、数々の成績を残した。
永田監督の指導方針は、強豪校では珍しい、「全員野球」であった。
練習環境が恵まれてはいないにも関わらず、全員で同じ練習をし入部希望者は全員入部させるほど、「全員野球」に拘っていた。
監督就任当初は、効率は落ちるように思われ監督自身も半信半疑であった。
しかし、選手間の競争が良い意味で激しさを増し、よりレベルの高いチームとなった。
また、レギュラーと補欠部員の間にも溝がなく、チームのまとまりなどメリットも多数存在した。
そして、全員の特性を生かし、毎年選手たちの特色にあったチーム作りを監督が行う。
強打や機動力、守り勝つなど代名詞はないが、「全員野球」という伝統で毎年強いチームを作り上げるのだ。
監督が決めた「型」に嵌めることをせず、全員で同じ方向に向かって汗を流すことで、びのびとした選手が育ちベストのチームが完成するのだろう。