「平成最強」と称される大阪桐蔭の強さを支えていたのは、独自のチーム作りであった。
チームを指揮する西谷浩一監督は、団体競技の最大の難点である「個々の育成」と「チームワークの強化」の両立をバランスよく行い指導している。
団体競技である以上、チームワークが悪ければ、それぞれの能力を出し切れなかったり、足を引っ張ってしまうことがある。
その一方で、チームワークだけを重視していても、一人一人の力が小さければ、総力戦になった際に勝てないという弱さもある。
そこで、大阪桐蔭は時期によってチーム作りのスタイルを変えるという、斬新な取り組みを行うこととなったのだ。
公式戦のない冬場の期間には、個々を高めることを目的にし、自分自身だけに意識を集中させるようにしている。
仮に、チームメイトがサボっていても、放ったらかしにし、自らの課題や目標だけに打ち込むように伝えているのだ。
しかし、オフシーズンの期間が終わると、チーム優先に目的を切り替え、チームのために動いたり、練習するようにさせ、組織作りに力を入れるのだ。
このスタイルでは、オフ期間に個々の能力が向上しているため、組織となった際に大きな力を持ったチームが完成するのだ。
全員のレベルが高く、チームのレベルも高い大阪桐蔭は、これからも新たな歴史を作り続けるだろう。