2020年の夏に行われた史上初の甲子園高校野球交流試合の開幕戦に登場し、勝利を挙げた埼玉県の花咲徳栄高校。
当時、チームの主将を務めていたのは、高校通算50発のスラッガーとして注目を集め、甲子園で選手宣誓の大役も担った井上朋也選手である。
井上選手は、中学時代はボーイズチームに所属し通算24本塁打を放つと、日本代表として挑んだ世界大会でも優勝に貢献するなど、注目を集める存在であった。
そんな実績を持ち、花咲徳栄へ入学すると、1年春からベンチ入りやレギュラーの座を掴んだことで、全国やプロから注目を浴びる存在となった。
しかし、初めて挑んだ甲子園では、活躍も見せた反面、2回戦の最終回二死の同点または逆転の絶好のチャンスで、三振を喫しチームも敗れるという悔しい結果に終わった。
リベンジを誓い、翌年も甲子園に出場するが、今度は初戦敗退、更には最後のセンバツや夏の選手権は、コロナ禍により中止となるなど、我慢の時期が続いた。
それでも、チームの主将として、声で鼓舞したり、自主練習を始めとした努力に取り組む姿勢でチームに手本を示すなど、精一杯できることに励んだ。
迎えた最後の甲子園となった交流試合では、甲子園という言葉を糧に頑張れたことへの感謝を、選手宣誓とプレーで表現し、最高の夏を過ごしたのであった。