2008年の選手権で、東兵庫の代表として、甲子園の連敗を5でストップさせ、8強まで進出した報徳学園。
当時、エースとしてチームを支え、甲子園でもベスト8進出に大きく貢献したのが、近田玲王選手である。
近田選手は、2年生ながら出場した甲子園では、先発として躍動の投球を続けるも、熱中症で途中降板をしてしまい、チームも初戦敗退という悔しい結果であった。
また、新チーム結成後には、「イップス」を発症してしまい、思うような結果が残せず、翌年のセンバツ大会の出場を逃すなど、思うような結果を残せていなかった。
しかし、成果が出せずチームに対して責任を感じて孤立しそうな状態にあった近田選手を、チームメイトは支え続けていた。
チームメイトは、「イップス」について敢えて触れずに、励ましながら、近田選手にばかり頼らず、自らのスキルを伸ばし頼られる存在になろうと、努力をし始めていた。
やがて、全員が誰かのために行動することでチームが一つになり、ノーシードから挑んだ県大会でも、チーム力を武器に勝ち進み、甲子園出場を決めたのであった。
自分の力を信じることも大切ではあるが、一緒に汗を流し苦楽を共にした仲間を信じることもできれば、さらなる成長が得られるのだろう。