甲子園んでは、センバツ大会を3度制し、春夏合わせて7度の準優勝を記録している広島の名門・広陵高校。
そんなチームを指揮するのは、広陵OBであり甲子園出場経験もある中井哲之監督である。
中井監督の指導は、「監督」である前に「教師」であるという考えから、野球ではなく、人を育てることに力を入れている。
選手たちは、監督から指導された際に、「すみません」と謝るのではなく、「ありがとうございます」と指導してもらったことへの感謝の気持ちを口にする。
怒られたり、厳しい声をかけられることは、選手への期待や優しさであることから、指導してくれたことに感謝を持とうという広陵の伝統的なスタイルを監督は継承している。
また、好きな野球をさせてもらえている保護者への感謝や、その保護者が買ってくれた道具を大切にする気持ち、頑張っても試合に出れない控え部員が支えてくれていることへの感謝の想いを持つことも選手たちには強く伝えている。
そのため、練習で着用するユニフォームは先輩から受け継いだり、新しい道具を購入する際には、監督の許可が必要であることや、控え選手にも「役割」を与えているなど、広陵の新しい伝統となっている。
「感謝」の気持ちを持つことで、一試合、一球を大切にできるようなった選手たちは、技術をカバーするまでの精神力が身につき試合でも本来の力以上のプレーを発揮できるのだ。
レギュラーや控えに関係なく、生徒を我が子のように愛し本気で向き合う中井監督に様々なことを教わった教え子たちは、卒業後に何年経過しようとも広陵を訪れる。
この光景こそが、中井監督の凄さであり、広陵の強さの秘訣なのだろう。
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