「夏は何が起こるか分かりません」/ 京都成章 松井常夫監督

1998年の夏の選手権で、甲子園初勝利を果たすと、勢いそのままに決勝まで勝ち進み準優勝を成し遂げた、京都成章高校。

決勝では、横浜高校にノーヒットノーランで敗れるも、全国制覇経験校を次々に倒したことで、全国から注目を浴びる存在となった。

その後は、一時的に甲子園から遠ざかっていたものの、11年センバツ、17年選手権に出場したことで、府大会では優勝候補の一角として認識されている。

そんな京都成章を30年近く指導しているのが、松井常夫監督である。

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松井監督は、創部3年目からコーチとしてチームを支え全国準優勝へと導いた経験や、05年からは監督としても春夏1度ずつ甲子園出場チームを育て上げた実績を持っている。

しかし、指導方針は野球以上に学校や勉強などの私生活を重視したものであり、目標は甲子園としながらも、人間的成長を目的に選手たちが卒業後に社会で役に立てるように育てている。

テスト前には練習時間を減らしたり、勉強が苦手な選手には練習参加を任意にするなど、学業を疎かにしないよう伝えている。

授業中に寝たり、校則を守れない選手は、能力や技術が高くても、試合には出場させないほど徹底している。

時には、社会で実際に仕事をしているOBや外部講師を練習に招き、選手たちに、私生活の重要性を伝えてもらったり、アドバイスをもらうこともある。

勉強をすることやルールを守るこで、選手たちは苦手なことや嫌いなことから逃げない習慣がつき、試合の苦しい場面でも粘り強く最後まで諦めないメンタルが身につくのだ。

また、野球の指導も他チームとは異なり、技術以外の部分にこだわりを持ち指導している。

強豪校ではあるものの、部員の多くは軟式出身者であり、グランドは他部と併用のため週に2〜3回という限られた環境であるため、野球の技術では他校と比較した場合勝てないと考え、身体作りや体力をつけるメニューを練習に多く取り入れ、技術を補うよう工夫している。

身体や体力を強化することで、気温の高い夏の大会でも、選手たちは持っている力を最大限発揮できるのである。

監督としての甲子園初勝利を目指す松井監督と、98年に成し遂げれなかった全国制覇の夢を追う選手たちは、今日も甲子園を目指し様々な面を強化することに汗を流している。

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