「他の人間が日本一になれるのに、俺ができんことはない」/ 明徳義塾 馬淵史郎監督

公立高校が鎬を削る中で、私学の明徳義塾を「四国の横綱」と称されるまで育て上げた、馬淵史郎監督

数々の記録を作り、勝ち星を挙げている名将ではあるが、勝負にこだわりすぎる「勝利至上主義」の印象が強く、ファンや世間からは反感を買うことも多い。

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特に、92年の夏の甲子園での「5打席連続敬遠」では、社会問題にまで発展し、勝利の校歌がかき消されるほどのブーイングが球場中に響き渡るなど、前代未聞の事態であった。 

試合で明徳義塾が負けていれば、批判はこれ程の事態にはならなかっただろうが、采配が見事成功し、勝利したこともあり、バッシングはエスカレートしたのだろう。

野球という観点だけで判断すれば、采配が正しいようにも思えるが、教育の一貫であるという点では、真剣勝負をしないことは悪であるという世間の主張が市民権を得たのだ。

そのため、無条件で相手にチャンスを与えるという、自チームにとっては不利な状態を作り、ある意味勝負に挑んだ馬渕監督の覚悟は評価されることはなかったのだ。

勝ちを意識して批判を浴びるか、世間体を気にして負けるかは、高校野球の指導者であれば、誰しも一度は悩むことである。

あの試合以降、高校野球が少し美しさを意識し始めたことは間違いなく、一生懸命考えたルール内の作戦であっても、批判を浴びることが増えた。

それでも、馬淵監督は「勝利」を一番に考えるスタイルを変更することなく指導を続け、10年後に全国制覇を成し遂げ、その後も甲子園常連校として躍進を続けている。

そんな名将を慕って、毎年多くの選手が入部し、監督のために成果を出していることを考えれば、馬淵監督は少なくとも間違いのない指導をしているのだろう。 

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