2014年の夏の甲子園で、王者大阪桐蔭を最後まで苦しめ、堂々の準優勝を成し遂げた、三重高校。
当時、甲子園での6試合全てで先発し、814球の熱投で、チームを支えていたのが、今井重太朗選手である。
三重高校は、県予選の準決勝で苦戦を強いられ、降雨ノーゲームによって何とか勝利し、甲子園出場を果たすなど、前評判は高くなかった。
迎えた、甲子園の初戦でも9回に2点差を追いつき、最後は延長11回押し出しサヨナラで勝利するなど、決して安定したスタートではなかった。
しかし、奇跡的な勝ち方を続けているうちに、チームは戦いながら成長し、新チームの秋から公式戦無安打であった今井選手にも成果が現れ、準々決勝ではタイムリーを放つなどの活躍も見せた。
そんな三重高校の快進撃は、周囲からは「運」や「まぐれ」と称されることが多いが、運が味方したり、急激な成果が現れたのには大きな理由があった。
今井選手は、登板前日の夜には宿舎でダッシュを繰り返したり、身体のケアも徹底し、チームメイトは、勝利に余韻に浸ることなく、道具の手入れを欠かさず行った。
決勝では、1点差で敗れるも、日々の小さな努力の集大成が、甲子園での躍進につながることを、三重高校は証明してみせた。