「強いチームよりも良いチームを作る」/ 奈良大付 田中一訓監督

全国制覇経験もある天理智弁学園の二強時代が長年続いている奈良県で、地区大会や県大会で上位進出をするも、何度も「後一歩」のところで、甲子園を逃してきた奈良大付属高校。

創立90年を迎えた高校野球100年のセンバツ大会で、悲願の甲子園出場を果たすと、3年後の100回の記念大会である夏の甲子園にも出場し、初戦を突破し初勝利を挙げた。

そんなチームを指揮しているのは、「高校球児の前に高校生」という指導方針を掲げている田中一訓監督である。

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選手たちには、学業を疎かにしないよう伝え、定期テストでは、赤点に対しての罰則はないものの、成績を全員の前で発表し刺激を与えるなど野球だけの選手を育てないようにしている。

そして、野球に関することは「自主性」をベースとして指導している。

奈良大付では、部員は100名を超えているが、グランドは他の部活との併用など、練習環境が恵まれてはいない。

そのため、学年ごとにオフの日を決めたり、班分けして練習をするなど、効率よく一人あたりの練習量を確保しているが、練習量は他校と比べれば、決して多くはない。

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そこで、個人が成長することに対しての「意識」を普段から持つように伝えている。

練習や試合中でも敵味方関係なく、様々な選手からは「」を盗めたり、「ヒント」を得られることもあるたからだ。

また、情報化社会が進んでいる現代では、疑問や課題を選手たちが自ら調べれば学び、成長できるため、敢えて監督は技術に対して細かく指導をしない。

一方で、「人間性」についての話は、ミーティングなどで繰り返し伝えている。

普段から選手たちとなんでも話せる環境を作っていることから、選手たちに自然と「人生論」を教えることもでき、一方通行ではなく対話を通して接することで、より話が伝わり選手たちとの信頼関係も築けているのだ。

周囲から応援されることの大切さや、人の前に立つ際に必要なことなど、野球だけでなく、社会に出てからも役に立つことを中心に日々選手たちに話し、目標である「良いチーム」を目指している。

平成の時代が終了した際、県の勝ち星の8割を二強が挙げていたが、新たな時代に奈良大付が、二強にストップをかけ全国でも活躍する日は、そう遠くはないだろう。

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