高校野球史に残る9回2死からの猛追で、新潟県勢初の甲子園準優勝を成し遂げた日本文理。
かつての高校野球界で「最弱」と称されていた汚名を返上するかの如く、全国にその強さを知らしめた。
そんな当時のチームを指揮していたのは、日本文理を全国有数の強豪へと育て上げた、大井道夫監督である。
大井監督は、選手として甲子園準優勝を果たした実績があり、全国での戦い方は熟知していた。
しかし、豪雪地帯の新潟では冬場の練習に限りがあり、就任当時はそのハンデに苦しめられていた。
それでも、雪の時期には打力や体力を鍛えることに専念させるなど、伸ばせる部分を徹底的に伸ばし、カバーすることを目指した。
また、厳しく指導するばかりでなく、褒めてやる気にさせたり、認めて責任感を持たせるなど、様々なアプローチで、練習の生産性を向上させた。
その結果、選手たちは、冬場に身につけた力を、公式戦で最大限に発揮することができるようになり、チームは進化を遂げていったのであった。
引き出すことに特化した大井監督の指導スタイルは、「強打」という伝統とともに、日本文理でこれからも受け継がれていく。
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