1980年代に、春夏合わせて6度の全国制覇を成し遂げるなど、圧倒的強さで一時代を築いた名門PL学園。
PL学園を80年から98年のセンバツまで指揮していたのが、名将、中村順司監督である。
監督就任後の最初のセンバツ制覇からスタートすると、甲子園20連勝、春夏連覇などを筆頭に勝ち星を重ね、通算58勝10敗、勝率は.853という、驚異的な記録を残ししている。
そんな中村監督は、「基本の大切さ」を選手たちに伝え、キャッチボールを軸に、基礎の徹底を重視し、チーム作りを行っていた。
「基礎基本」の徹底は地道な作業ではあるが、細かな点まで意識させることで、完璧を達成出来た際には、「自信」が持てるようになり、他の技術では劣っている相手にも臆することなく挑むことができていたのだ。
また、視野を広げることや仲間を思いやることなど、技術以外にもチームスポーツに必要なスキルも身につけるよう指導し、組織力の強化も目指していた。
そして、指導方法にもこだわりを持ち、叱る際には逃げ道を作ったり、併せて褒めるなどの工夫も凝らし、練習や野球に対して「マイナスの感情」を持たせないようにもしていた。
各選手が、「根拠のある自信」と「チームプレーの精神」を持っていたことが、PL学園の強さを支えていたのだろう。