「勝手気ままにやるのが個性ではない」/ 仙台育英 竹田利秋監督

野球などの団体競技のスポーツであっても、チーム力だけで成績を残すことは限度があるため、ある程度は個々の力を発揮することも必要となる。

しかし、個人の力を出すことは、個性を適切な場所で発揮してチームに貢献することであって、決して自分勝手なプレーや主張をすることではない。

つまり、仲間の苦手な部分を自身長所で補ったり、自分の足りない部分を仲間に助けてもらうなどの正しい形で個性を出すことが重要である。

そんな考えから、仙台育英東北高校を指揮していた竹田利秋監督は、個性を発揮させながらもチームプレーも徹底させるスタイルで指導を行っていた。

竹田監督は、能力や才能のある選手たちがチームプレーという理屈だけで、発揮できずに無駄にならないように、頭ごなしに否定するようなことはしていなかった。

だが、個性は発揮する場所や状況を間違えると、わがままな主張や自己中心的なプレーになってしまい、チームのマイナスになるケースも少なくなかった。

そこで、野球以前に、気配りをすることの大切さや、相手を思いやる心を育ませるなどの人間教育に力を入れ、プラスになるよう正しく発揮させていた。

野球と人間教育を両立するスタイルを確立して、甲子園で東北勢の歴史を作り続けた竹田監督は、指導者ではなく教育者であったのだろう。

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