「野球は献身が必要なスポーツだと思っています」/ 仙台育英 須江航監督

近年、東北勢初の甲子園制覇に最も近いと期待されてい仙台育英であったが、2017年に発生した不祥事により、監督退任と活動自粛を余儀なくされ、絶望の雰囲気が漂っていた。

そのため、甲子園への出場すらも危ぶまれていたが、須江航監督の就任により、再び甲子園の頂点が射程圏内に入るまでに、復活を遂げた。

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須江監督は、中学野球で全国制覇へ導いた実績を持つ、中学野球界の名将と称されていたが、高校野球というものに、一から向き合うために、自身の野球観を丸々選手に押しつけることはしなかった。

また、かつてチームを指揮していた、竹田利秋監督佐々木順一朗監督が作り上げてきた、伝統を全て変えるのではなく、見直すことからスタートし、良い部分は継承した。

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その一方で、長年の伝統であった自由なプレースタイルには、逆効果もあると考え、裏目に出ないように、いくつかの制約を付けるなど改良も行った。

以前の仙台育英には、選手たちが自ら考えてのびのびプレーをする方が、成果が出るという理由から、監督の指示は極力少なくし、サインプレーなども必要以上に取り入れていなかった。

しかし、自由を軸に置くことで、が生まれることも多く、その僅かな綻びからミスをしたり、チャンスを逃し、敗れるケースが多かったのも事実であった。

また、個人の主張が強すぎるあまり、チームプレーが疎かになるなど、能力の高い選手同士での目に見えない良さの潰し合いが起きていたこともあった。

そこで、「全力疾走」と「カバーリング」に力を入れ、自由に動き回っても、チームの役に立ち、お互いが助け合える環境を作るようにしていった。

僅かな変化ではあるが、チームプレーという、新たな武器を手にして躍進を続ける須江監督率いる、仙台育英が、甲子園を制する日は近そうだ。

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