スポーツでは、勝敗がハッキリと決まるため、自然と結果にばかり目を奪われ、ミスや失敗があったとしても、勝利を手に入れれば、見逃されるケースは少なくない。
だが、神奈川県の名門、桐蔭学園を指揮している片桐健一監督は、試合という場所では、勝利という結果以上に、練習の成果を発揮することにこだわりを持つ。
片桐監督が就任した当時、県大会の序盤で公立高校に負けるなど、かつて全国制覇を成し遂げ、甲子園常連校と称されていた姿は、そこにはなかった。
そんなチームの復活のために最初に取り組んだのは、一球、一振をはじめとした、練習のワンプレーに対してこだわることであった。
練習では、失敗やミスをしても、やり直しや修正のができるため、自然と目の前の結果に対して深く考えずに、一球を無駄にすることが少なくなかった。
しかし、その甘さが試合での「隙」となり、勝負所で勝ちきれない弱さともなっていたことを反省し、練習に取り組む意識の改革を行った。
ミスが起これば、やり直しを選択するのではなく、なぜミスが起きたかを考えさせ、場合によってはプレーを中断して、部員たちで話合わせることもある。
原因を追求することで、自然と失敗のパターンやミスが起こる状況が把握できるようになり、互いにカバーし合ったり、呼びかけ合うなどの、事前の準備がてぎるようにもなった。
また、試合では、練習で身につけた能力を全て試合で出し切ることを目標に掲げ、練習同様、目の前の一球に集中さえすれば、必然的に勝利できるものだと伝え、勝敗を必要以上に意識させるのをやめた。
その結果、勝ちに対しての変な力が入らず、集中力も維持ができるようになり、チームも全国大会の舞台へ返り咲くことができたのであった。
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