センバツ大会での優勝を筆頭に、全国でも数々の実績を残している、埼玉県の浦和学院。
そんな名門を27歳という若さで指揮することとなったのが、森士監督である。
森監督は、就任当初から変わることなく、目標は全国制覇、目的は人間形成という信念で勇退まで指導を続けた。
しかし、就任した当時は野球と教育の両立は苦戦することが想像以上に難しく、甲子園に出場はしても全国では勝ち上がれないジンクスに陥っていた。
それでも勝利にばかりこだわったり、敗戦時に教育を言い訳にすることなく、指導方針を日々見直したり勉強し続け、チーム力を高めるというスタイルを確立した。
これは、低迷期のチームに 力のある個人が入部をし、レギュラーを競い合うこで全体のレベルアップが得られていた反面、チームプレーが欠けていたという課題があったからだ。
また、チームスポーツという特性を活かすことで勝利に近づけることに加え、仲間との助け合いや協力の大切さなども学べ、教育もできることから導入に至ったのだ。
その結果、レギュラーは控え選手たちのためのプレーを、控え選手たちはレギュラーのためのサポートを、それぞれが考えて動くようになるなど、強くて良いチームが誕生したのであった。
野球で結果を残しつつも、どんな状態でも他人を気遣えるようになった選手たちを育て上げた名将、森監督の教えは、これからも浦和学院に受け継がれていく。
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