2019年の甲子園に春夏連続出場を果たし、センバツではベスト8、選手権ではベスト16に進出した智弁和歌山高校。
当時、2年生ながらチームの中心選手として活躍していたのは、俊足好打に加え高校通算23本塁打の力強い打撃も見せていた、細川凌平選手である。
細川選手は、小学2年生から野球を始めると中学時代にはボーイズリーグに所属し、日本代表に選出され世界大会優勝を果たすなど、数々の経験を積み実績も残していた。
そんな中、智弁和歌山へと進学すると、1年時からその年のセンバツ準優勝メンバーと混じりながら試合に出場し、夏の県予選では本塁打を放つなどの結果を残した。
続く秋の大会では、レギュラーの座を掴むと、翌年の春夏連続の甲子園出場に攻守で貢献し選手権の2回戦で放った本塁打によって、個人としても注目を集める存在となった。
しかし、出場した大会ではいずれも、チームの目標である全国制覇の夢を果たせていなかったことから、主将となった2年の秋からは、それまで以上に勝ちにこだわる姿勢を追求した。
アウトを取られる際にも、相手にプレッシャーを与えたり、チャンスに繋がるようにすることや、ミスを減らすために防ぎ方を意識するなど、負ける可能性をなくす取り組みを率先して行った。
その結果、3年時はコロナ禍により全国制覇の夢は果たせなかったが、県の代替大会を圧倒的な強さで制覇し、有終の美を飾ったのであった。