古くから甲子園で活躍し、福井県内だけでなく、北陸地方の高校野球を引っ張り続けている名門、福井商業高校。
ユニフォームの「炎のエンブレム」が象徴するような、闘志溢れるプレースタイルは、多くのファンの心を掴んでいる。
そんな福井商業を指揮していたのは、40年を超える監督生活で、36度も甲子園へ導いた実績を持つ、北野尚文監督である。
北野監督は、当時の県勢最高記録となる、センバツ大会の準優勝へ導くなど、数々の記録を残している。
だが、北野監督は、どれだけ好成績を記録しても、野球の指導者としてではなく、先生として選手たちに接し続けていた。
実際、野球の能力だけでなく、人間として高いスペックを持たせ卒業させていたことから、周囲から「北野学校」と称され、その指導力に定評があった。
もちろん、選手たちや自らの大好きな野球についても、熱血指導を行い、最後の最後まで、本気で日本一を目指していた。
そして結果が出ない時には、指導方針の見直しを何度も行ったり、他の指導者に教えを乞うなど、決して選手たちのせいにすることはなかった。
名将としての地位を確立してもなお、謙虚に学び続けたからこそ、北野監督は幾多もの球史に残る記録を作れたのだろう。
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