福井県内だけにとどまらず、北陸の高校野球界を牽引し続けている名門、福井商業高校。
そんなチームを指揮していたのは、人を育てることに定評のあった、名将、北野尚文監督である。
北野監督が就任した当時の福井県や北陸勢は、雪のハンデによって、全国で勝ち進むことは少なく、弱小地区のレッテルを貼られていた。
だが、言い訳をするのではなく、雪でグラウンドが使えない時には、割り切って筋力トレーニングに専念するなどして、マイナス面を補う努力を続けた。
また、技術を伸ばすことは目先の解決にしからないとして、3年の時間をかけて人間力の育成に力を入れた。
野球では、どれだけ高い技術や能力を持っていても、その力を引き出す人間性がなければ、意味がないという持論があったからだ。
そのため、礼儀作法や学校生活の過ごし方を細かく指導し、例え野球が上手い選手であっても、できていなければ試合に出さないなど徹底した。
その結果、チームは全国レベルの強豪へと成長を遂げたことに加え、卒業した選手たちのほとんどが社会で高い評価を受けるなど、様々な成果を残したのであった。
野球指導と教育の両立をした北野監督こそ、高校野球の指導者のあるべき姿なのだろう。
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- 「高校野球は、ない中でどうやるかの野球」/ 如水館 迫田穆成監督
- 「基本はなくても基礎はある」/ 創成館 稙田龍生監督
- 「過去や結果を考える前に、今何ができるかを最優先に考えよう」/ 池田 岡田康志監督
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