宮崎県は、九州勢で唯一「全国制覇」の経験がないが、近年は、2009年夏には都城商が8強に、13年夏には延岡学園が準優勝するなど、全国でも上位進出しつつある。
また、単独県大会制が採用されて以降は、連続出場校が一校も存在しないほど、毎年熱戦が繰り広げられている。
そんな宮崎県で、甲子園には2回の出場し、県内では毎年上進出常連で、プロ野球選手も輩出しているのが、宮崎日大である。
宮崎日大を指揮しているのは、OBでもあり、プロ野球で選手やコーチとして活躍した経歴もある、榊原聡一郎監督である。
榊原監督は、宮崎日大の監督に就任後、僅か一年で甲子園へとチームを導いたため、世間からは、「技術指導」ばかりが注目されていた。
だが、作戦や練習内容にも変化はあったものの、榊原監督は、「野球の前に人間教育」という指導理念があり、服装や挨拶、マナーなどの指導をメインにしている。
甲子園出場時もこの指導は変わらず、人前に出るときは例えホテルの食堂であってもハーフパンツを禁止にし、組み合わせ抽選の会場へ行く前日には、制服をクリーニングさせておくなど、徹底していた。
一方で、周囲からの祝福や期待に気持ちの緩み、練習態度が悪いと感じた際には、練習をキャンセルし走られせるなど、妥協も許さない。
しかし、一方的にルールを決め、選手たちにだけ厳しいのではなく、榊原監督は自分自身にも厳しくしている。
高校野球では、強豪校ともなれば、良い選手が集まる年を軸にして、「3年計画のチーム作り」をする指導者が多いが、榊原監督は、負ければ引退の3年生の部員たちと同じように、監督と学校の契約は1年ごととし、結果が出なければ「クビ」を覚悟し挑んでいる。
また、学校寮の飲食部門の責任者でもある榊原監督は、様々な人脈を駆使し、ホテルの料理人などとも協力し、寮の食事改善にも取り組んでいる。
食事の改革には、栄養のバランスを意識し、身体づくりを行うこと以外にも、食事のマナーも学ばせている。
トップレベルの野球を経験しているにも関わらず、細かな生活態度や作法を重視し、人間教育から指導している榊原監督率いる宮崎日大が、甲子園で県勢初の全国制覇を達成する日を、多くのファンは待ち望んでいる。
「「毎年3年生と同じ気持ちで監督をやろうと思っています」/ 宮崎日大 榊原聡一郎監督」への1件のフィードバック