2013年の夏の甲子園で、自校の持つ、県勢最高記録であるベスト8を更新し、4強まで勝ち進んだ日大山形高校。
当時、エースとして全国制覇経験校を3校も完投でねじ伏せるなどの活躍を見せたのが、庄司瑞選手である。
入学当初から、庄司選手の学年は、県勢の歴史を塗り替える「甲子園4強」を目指して、日々努力を続けていた。
しかし、1.2年時には、県大会や地区予選での敗退が続き、甲子園の土すら踏めない状態で、チームの本音は「甲子園出場」であった。
それでも、チームの目標はぶれることなく、最後の夏には県大会を勝ち切り、甲子園出場を果たした。
その一方で、庄司選手は夏の地方予選を含み、一度も完投の経験がないままで甲子園に出場することに、大きな不安を抱えたまま初戦を迎えることとなった。
だが、甲子園では進化を遂げ、日大三高、作新学院と優勝候補を完投で勝利に導くと、県勢初の4強をかけた明徳義塾との一戦でも、159球の完投で、新記録樹立の立役者となった。
次戦では、東北勢初の全国制覇の期待がかかり、プレッシャーや、3連投の疲れもあり敗れはしたものの、甲子園で成長を遂げたエースとチームは、山形の球史の誇りとして、語り継がれている。