「野球にミスは付き物ですが、いかに無くしていくかも大事なこと」/ 星稜 林和成監督

球史に残る数々の名勝負を甲子園で繰り広げ、スター選手も多数育て上げてきた名将、山下智茂監督からバトンを受け継いだのは、OBの林和成監督である。

林監督は、自身が現役時代に恩師の山下監督に教わったことを指導をベースとし、中でも、伝統である「耐えて勝つ」のモットーは、変えることなく引き継いでいる。

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山下監督の時代や林監督が選手であった頃に比べれば、簡単にモノが手に入りやすく、利便性の高い世の中になっていることから、今どき選手たちは、「忍耐力」がないことが多い。

しかし、野球では、自分たちの思い通りにいかないことや、予期せぬトラブルにより、ストレスのかかった状態で試合を続けなければならないことも、少なくない。

そんな苦しい場面や逆境を、乗り越えられるようにと、林監督は、グラウンドや私生活の中でもある程度のルールを設け、耐える力を養わせている。

その一方で、「自立」といったものにも力を入れ、厳しさを監督や指導者が作るのではなく、選手たち同士で考えたり話し合ったりして、緊張感のある雰囲気を作り出すことも求めている。

最低限の練習メニューや目的は選手たちに伝えるが、取り組み方やプラスアルファの部分の指導はほとんどせず、試合を想定し、選手たちだけで動けるような習慣を作らせている。

そのため、選手の間違いに対して指摘する際も、一方的に怒鳴るような指導ではなく、原因や理屈を説明し、選手たちからも考え方や意図を聞き出す、対話型の指導を行うようにしている。

もちろん、厳しい指導と比べれば、時間を要し、成長の速度は落ちるなどのデメリットもあるが、能力の定着度やレベルの上がり方は非常に高いため、辛抱強く見守っているのだ。

山下監督イズムを受け継ぎながら、新たな「自立」という伝統を作り指導を続ける林監督が、全国制覇を成し遂げる日は近そうだ。

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