高校野球の黎明期から甲子園の常連校としてのポジションを確立し、全国制覇を成し遂げた実績も持つ静岡高校。
そんな名門も平成初期には、県や地区で苦戦を強いられ、全国から遠ざかる低迷期に突入していた。
そこで復活と再建を託されて就任したのが、県内のいくつかの高校で指導経験のあった名将、栗林俊輔監督であった。
だが、栗林監督は、就任間もない頃は周囲の期待に応えようとするあまり、その気持ちが空回りしていた。
勝利ばかりを意識した厳しい練習を課したことで、選手たちの思い切りの良さや長所が上手く発揮されていなかったのだ。
何とか悪循環から抜け出すために、栗林監督は、自主性でチーム作りを行うスタイルへと大きく変更した。
当初は、選手たちが勝手気ままになったり、甘さが隙になるなどの心配もあったが、任せることで一人ひとりに責任感が生まれ、チームは一気に成長し始めた。
また、準備の大切さを伝えたり努力の必要性を説明するなど、選手たちの背中を押し続ける存在としてチームを支えた。
その結果、甲子園に返り咲きを果たすと、上位進出も記録し、見事、静岡高校の球史を大きく動かしたのであった。
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