高校野球では、高い技術や強靭な肉体を擁していても、最後まで諦めず闘う意志を前面に出した強い気持ちには、勝つことができない。
福井商業を指揮していた北野尚文監督もまた、そんな考えを持ち、選手たちに技術や人間性とともに、強い気持ちを持つことの大切さを伝え指導していた。
北野監督が就任した際のチームは、低迷期の真っ只中であったことに加え、雪のハンデがあることで、県勢が甲子園で勝ち抜くことは難しいといった雰囲気もあった。
そこで、夏場に徹底した猛練習を課したり、グラウンドの使えない冬場には、割り切って筋力トレーニングに専念するなど、県外チームに負けない練習量をこなさせ、自信をつけさせることを行った。
当初は、あまりの厳しさから、退部者が続出するなどのトラブルもあったが、日々進化するチームが何よりもの説得材料となり、チームの部員数は年々増えていった。
また、雪をも溶かす強い気持ちを持つという意味を込めた、「炎」のエンブレムをユニフォームの左袖に縫いつけ、辛い時や苦しい時のモチベーションにもさせた。
心・技・体の全てを鍛えさせる指導で、福井県と北陸の野球界に一石を投じた北野監督の野球は、多くの教え子と、チームに受け継がれている。
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