高校野球の指導者という立場は、技術の指導以外にも、教育の一環であることから、生活態度や礼儀作法も学ばせて、人間教育を行うことも求められる。
しかし、それらを教える上で、ペナルティを用意したり怒鳴るなどの厳しい指導では、やらされているだけになり、選手たちの身になることはない。
そんな考えから、選手たちが主体的に厳しい練習に励めるような環境作りを行っているのは、星稜高校を指揮する、林和也監督である。
林監督は就任当初、自身の恩師でもある山下智茂前監督の作り上げた星稜の伝統、「耐えて勝つ」を引き継ぐために、膨大な練習量を課して、我慢強さや忍耐力を身につけさせていた。
しかし、やみくもな練習では、目の前のメニューを作業のようにこなすだけの選手が多く、時間だけが過ぎ去り、成長できる要素がなかった。
そこで、一方通行の指導から対話型へ移行したり、全体練習の時間を敢えて減らし、自主練習に取り組みやすいようにするなど、成長しやすい環境作りに力を入れるようにしていった。
伝統の「耐えて勝つ」スタイルは継承しながらも、与えるのではなく引き出すという、指導法に変化をもたらした林監督の采配から、今後も目が離せない。
↓林和成監督の記事はこちら↓
↓山下智茂監督の記事はこちら↓
↓奥川恭伸選手の記事はこちら↓
「「生徒たちがやりやすい環境を作るというのが、指導者としての仕事」/ 星稜 林和成監督」への1件のフィードバック