野球が団体競技である以上、チーム力の高さというものも、勝利には欠かせない要素ではあるが、そのチームを作る個々の能力の高さも当然必要となる。
そん考えから、個人と組織の両方を育成するスタイルを取り入れ、チームを指揮しているのは、徳島県の鳴門高校の森脇稔監督である。
鳴門高校は、強豪校ではあるものの公立高校であるため、中学時代に大きな実績を残しているような、スター選手が入部してくることはほとんどない。
そのため、個人の力だけでは、全国レベルのチーム相手には敵わないとして、仲間同士でカバーするようなチーム方針を掲げている。
もちろん、基礎基本の徹底を全員のノルマとし、最低ラインの向上を目指しているが、チームメイトの弱手をお互いに補えるように、個人の長所を伸ばすことも求めている。
また、森脇監督自身も複数のコーチに、技術指導やトレーニングを任せ、マネジメントや采配にのみ専念するといった分業制にするなど、強みを活かしている。
全員がチームのためにという気持ちを持ちながら、個人の能力を高めることで、結果的に全体のレベルもアップするという好循環が、鳴門高校の強さを支えているのだろう。
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