1998年の夏の甲子園で、準優勝を成し遂げ、その名を全国に広めた名門、京都成章高校。
夏の甲子園には19年遠ざかっていたが、2017年夏に出場し、名門の復活を果たした。
チームを指揮しているのは、京都成章を一から作り上げた松井常夫監督である。
98年の夏の選手権時に部長として、甲子園準優勝経験後、監督としても甲子園に出場へ導くなど、チームを30年以上指導し、支えている。
京都成章は、高校野球ファンからは、強豪校として認識されているが、決して環境に恵まれているわけではない。
部員の多くは中学軟式出身者であり、グランドも使用に制限があり、平日は週に2,3日という状態である。
そこで松井監督は、他チームに劣る環境をカバーするために、様々な工夫を凝らしている。
限られた時間と場所を効率よく活用するために、ウエイトやサーキットトレーニング、素振りなどで、体づくりを行う。
また、OBコーチのメンタルについての講義や座学を取り入れ、選手の心のケアや強化も行なっている。
そして、「野球だけの選手」を育てないように、野球以外の生活指導なども厳しくしながら、あの夏の忘れ物を取るための準備を続けている。