「貢献の仕方というのは試合に出るだけじゃない」/ 花咲徳栄 岩井隆監督

埼玉県勢初の夏の甲子園での全国制覇を成し遂げた、花咲徳栄の強さの秘訣は、岩井隆監督の指導スタイルにあった。

岩井監督は、前監督の急逝を受け監督代行という肩書きからチームを指揮する立場となったこともあり、就任当初は結果にだけこだわり、選手や理論などを一切無視した指導であった。

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良いプレーが出ても試合に負ければ、ペナルティーを課し、失敗やミスに対して厳しく叱咤するなど、スパルタ指導と根性論でひたすら勝利だけを目指していた。

しかし、指導者からの一方通行の指導では、選手たちに主体性がなく、練習の生産性も低く、お互いが無駄で苦しい時間を過ごしているだけの状態であった。

その結果、試合をしても勝利は得られず、再び練習を厳しくしては、選手たちと距離が離れ、空回りして試合に臨むため、勝てないという最悪のサイクルに陥っていた。

そんな岩井監督は、系列の大学が出場した箱根駅伝を応援に行った際に、苦しいことでも仲間がいるから頑張れるという、チームプレーの素晴らしさを目の当たりにしたことが転機となった。

苦しい時ほど、チームワークが支えになり、チームメイトがいるから頑張れるという、駅伝の魅力は野球でも活かせると考え、常にチームを意識する指導を行うようにしていった。

そのため、これまであまり意識してこなかった控え選手下級生などにも、輝ける場所や成長できる環境を提供し、チームに貢献することの素晴らしさや、支えることの重要性を伝えていった。

控え選手たちの想いを背負い、グランドでプレーするメンバーもいれば、レギュラーの為に、裏方となって汗を流す選手もいるという、指導者からの指示ではなく、「誰かのために」という想いで動ける集団となった花咲徳栄は、急速に力をつけていった。

2017年夏の全国制覇は、岩井監督を含めたチームプレーで成し遂げたものであった。

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