3度目の出場となった2019年のセンバツで、学校史上初の春の甲子園勝利を目指し戦った、北海道の札幌第一高校。
当時、チームのエースを務めていたのは、手元で伸びる力強い速球と切れ味鋭い変化球を武器としていた、野島丈選手である。
野島選手は小学生時代から野球を始めると、中学時代にはシニアで活躍し、高校は地元の強豪校、札幌第一へと進学した。
入学後は、恵まれた体から投げ込む威力ある速球が評価され、2年時からは、エースナンバーを背負うなど、チームの中心選手となった。
しかし、2年秋のセンバツ出場がかかった大一番では、味方の挙げた得点を守りきれず、逆転を許すといった悔しい負けを味わった。
敗戦をバネに、それまで以上に下半身の強化や球質向上の努力を行うと、仲間たちにも声をかけて練習を引っ張るなど、背中でもプレーでもチームを引っ張る本物のエースへと成長していった。
そんな努力が実を結ぶかのように、神宮大会枠によりセンバツ出場を果たすと、大会前の練習試合では好投を見せ、注目右腕として全国から期待される存在となった。
迎えたセンバツでは、相手の強力打線につかまり、初戦敗退を喫し、以降も思うような結果が残せなかったものの、野手や打者としてもチームを支え、夏には南北海道大会8強進出に貢献したのであった。