春夏合わせて、甲子園で優勝3回を記録し、100を超える勝ち星を挙げている、埼玉県勢。
そんな埼玉県で、近年甲子園常連校となり、2017年の選手権では、県勢初の夏の全国制覇を達成したのが花咲徳栄高校である。
監督就任後すぐに甲子園出場を果たすと、以降甲子園常連校として全国の上位に進出スルチームを毎年作り上げている関東の若き名将である。
17年の全国制覇の後も、結果に満足するのではなく特性の砂場をグランドに作り、走り込みを徹底させたり、脳科学の専門家を招いての座学を取り入れるなど、技術だけでなく、基礎体力や精神面を改めて鍛え直していた。
岩井監督は、かつては「スパルタ式」の指導を行っていたが、現在では、個々が自立することが結果への近道と考え、生徒の自立を促す指導へと変えた。
勝ち負けといった結果に拘らず、選手の変化や成長を重視しながら、選手一人一人と向き合い対話を繰り返し、監督から自立した選手主体のチームを作り上げている。
試合や練習の際のアドバイスにも工夫をし、「勝て」といったプレッシャーのあるものではなく、「力を出し惜しみするな」という前向きなものを多く取り入れている。
マークされながらも、毎年安定した成績を残せているのは、監督の言葉の力と選手たちの自立した思考力があるからだろう。