代名詞でもある「強打」を軸に夏の甲子園を二度制覇している、強豪・日大三高。
昭和の時代には、センバツ大会での初優勝と二度の準優勝から「春の三高」などとファンからは注目を集めていた。
そんな名門を指揮しているのは、関東一高での采配経験も持つ、名将・小倉全由監督である。
グランドを離れても、選手の誕生日にケーキを自腹で購入したり、体調不良の選手を夜中まで看病したり、叱った選手に、スイーツと共に想いを伝えたりと、選手から親父のように慕われている監督である。
小倉監督は、指導者人生の中で一度もぶれることなく「10ー0で勝つ野球」を貫いている。
トーナメン方式の高校野球においては、優勝するためには負けることが許されないため、ほとんどの指導者は「最後に1点でも多く取れていればいい」という勝ち方を求めている。
しかし、小倉監督は緊迫した苦しい1点差ゲームではなく、圧倒的な大差の楽な試合を目指しているのだ。
そして、高校野球の名将では珍しく、「精神論」や「人間形成」について語ることはない。
野球がしたくて入部してきた選手たちのために、練習時間を全てを「野球」のために使い、技術の向上をひたすら求め、選手たちを育てているのだ。
毎年選手が入れ替わる高校野球では選手の技術に差もあれば、性格も違うだけでなく、世間や時代の野球感も異なる。
そんな中でも小倉監督は自身のスタイルを貫き、決まった「方程式」のないチームづくりで、3度目の全国制覇を目指している。
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