「良い人生にするのも自分次第で、悪い人生するのも自分次第」/ 日大三 小倉全由監督

都の名門日大三高を率いて、夏の甲子園で2度の全国制覇へ導いた名将、小倉全由監督には、嘘や駆け引きなどの、大人の都合という理屈が存在しない。

試合に負ければ一緒に悔し涙を流し、勝った時には喜びの涙を分かち合い、練習でも寮でも選手たちと同じ目線で過ごしながら、苦楽を共にしてチーム作りをする。

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年齢や実績を重ね、周囲から名将と称されれば、多少なりとも言葉を選んだり、考え方をカッコつけたりしたくなるものだが、小倉監督にはそういった要素がないのだ。

挨拶をすれば気持ちがいい」、「練習をしたら成長する」といった、理論やデータ、世間の流れに流されることなく、自身が感じることを素直に表現し、選手に本音で向き合うのが、小倉監督のスタイルである。

そんな考え方は、野球にも直結しており、監督就任以来、見ていてもプレーしていても楽であるという理由から「10ー0」で勝つ野球を理想に掲げている。

得失点差というルールが存在しない野球では、誰もが「1点でも多ければいい」という考えのもと、練習に励み試合に臨むのが一般的であるため、OBや周囲に批判されることもある。

それでも、自身の野球を疑うことなく信じて貫くからこそ、小倉監督を選手たちは本気で信じることができ、絶対的な信頼関係が生まれ、そんな監督へ恩返しをしようと、懸命のプレーができるという、好循環につながるのだ。

理想の野球を作るために、日大三高では、「地獄の冬合宿」という名物合宿が存在するが、この練習にも小倉監督らしさがある。

自身の座右の銘である「練習は嘘をつかない」を象徴するかのように、効率や質が悪いと分かった上で、敢えて心を鍛えるメニューを取り入れ、自らも60歳を過ぎた肉体に鞭を打ち、選手たちと一緒に汗を流すのだ。

少し時代遅れのようにも見えるが、変な精神論や道徳観を押しつけたり語ることなく、「やれば伸びる」という、シンプルな指導で選手を育て続ける小倉監督こそ、名監督なのだろう。

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