「日常の行いで人間的に成長すれば野球も上達する」/ 創成館 稙田龍生監督

2010年代に入り、急速に力をつけ結果を残している九州のニューフェイス、長崎県の創成館高校。

2013年のセンバツ大会に甲子園初出場を果たすと、その後もコンスタントに甲子園に出場し17年の秋には9回目の挑戦で初の九州王者となり、神宮大会でも、後のドラフト選手4人を擁する大阪桐蔭を敗り、勢いそのままに準優勝という成績を残した。

そんなチームを2008年から指揮しているのは、選手時代に大分明豊高校での甲子園出場経験や、社会人野球の選手・監督として活躍していた、稙田龍生監督である。

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稙田監督は、元社会人であることから、「組織づくり」を大切にしながら、選手たちを指導し、育てている。

100人を超える選手たちと同じ寮に住み、お風呂に一緒に入ることもあれば、冗談を言って笑わせることもあり、「家庭」のような雰囲気を意識しながら、選手たちの父親のように接している。

部員が多いと、選手たち一人一人とは毎日コミュニケーションが取りにくく、選手たちの悩みや不安などの心の声に気づきにくくなる。

そこで、稙田監督はそのリスクを減らすために、心理カウンセラーの資格を取得し、些細な仕草や、何気ない会話からも、選手の心の声を読み取れるようにしている。

また、定期的に保護者との懇親会を実施し、意見を交換する機会を設けたり、少年野球の指導法が書かれた本を読み、子供との接し方を学ぶなど、多くの実績を持ちながらも、今時の「チーム作り」を学んでいるのだ。

創成館では、ノーステップ打法による「強打」や、複数投手起用による「守り勝つ野球」が印象的ではあるが、力を入れているのは、「走塁」である。

「走塁」は、単に走力や走る筋力が身につくだけでなく、守備や打撃に必要な筋力も得られるため、大会前の調整期間などにも、ベースランニングのメニューを取り入れるなど、徹底し「走塁」をこだわり続けている。

試合では記録に残りにくいが、試合の流れや勝敗を左右することもある「走塁」を、いかに意識高く取り組めるかという、よりレベルの高い野球を目指しているのだ。

部員数が多いため、一人当たりの練習量が減るようにも思われるが、創成館では5人のコーチの指導と、班分けしグランドを効率よく使うスタイルで、日々成長を続けている。

新たな高校野球のスタイルと指導法で挑む、創成館稙田監督の挑戦に今後も目が離せない。

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